ホットギミック ガールミーツボーイ 初見の感想

6/12

多分ネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず最初、本当に最初に思ったことは、この映画助走がありません。それは最後まで同じ感想です。ずっっと全力疾走、水泳で言ったらずっと息継ぎなし。119分に詰める内容ではとてもない、映画何本かみた後かのような感覚を覚えました。 

まさしくティーンムービーでした。たしかにこの映画を真正面から受け止めるにはエネルギーが増大すぎる。だんだんと心臓を締め上げられていくような苦しさを感じて、でも目をそらすことができなくて、とてもじゃないけど、心地よさとか、キラキラなトキメキとか、そんなのじゃない。

エンドロールが終わっても、どこか苦しかった。なのに頭から離れてはくれない。

 

新時代、新時代やたら言うけど、まあそりゃあ新時代って言うよなって感じた。

 

撮り方とかもやはり特殊で、普通だったら、2時間のうちに一回しかやらないでしょその手法!てやつを何パターンも何回もやってくる。映画、なんだけど、MV的な撮り方もあったように感じた。

ちなみに、映像酔いしてしまう方は、もしかしたら、て感じです。

 

「わからない」「バカ」この2つの言葉が沢山出てきます。

 

「初(ちゃん)にはわかんないよ」初は色んな人にこう言われます。

でもね、多分初にはわからない、ではなくて誰も初のことがわからないんだと思います。

 

だって途中から初のことが怖くて怖くて、どうしようもなかった。初が何を考えているのか理解不能。一体初ちゃんは何人いるのか?そんな錯覚に陥るほど。

また、その時々によって亮輝といる初、梓といる初、凌といる初、どの初が1番可愛いのか、変わってくるんです。今は亮輝といる初が1番可愛いな、でも今はまた違うな。というように。初ちゃん、誰といるかで、全然違うんですよね。

 

多分、吉岡里帆さんが完成披露試写会の際におっしゃっていた堀未央奈さんの「危うさ」がかなり切り取られていると思うし、堀未央奈さんが良く言われるその日によって顔が違う、というのがかなりこの映画に反映されていました。

 

完成披露試写会でメイクをした完全な芸能人の堀未央奈を目の当たりにした直後だったので、映画始まってすぐのすっぴんで肌の質感が全て分かってしまう堀未央奈さんとのギャップで、もうその時点で「初ちゃん」だった。

堀未央奈さんの演技自体は多分見たことある人だったらそんなに驚かないと思うんです、前半は。後半にいくにつれて、怖いなって。なにか、どこか私の無防備な部分を抉ってくるような。多分かなり難しい役だったと思うんですけど、堀未央奈のためにある役だったと思っています。多分、堀未央奈以外だったらあの恐ろしさというか、怖さは生まれなかった。

亮輝は初のことを「宇宙」といいます。まさに、そうだと思う。わからないんです。初のこと。最後、初は自分自身のことを見つけ、追いかけ、捕まえますけれど、でもおそらくそれは他の人には一生わからないんだと思う。余計厄介な女が生まれたな、と。

見出しとかでは、堀未央奈演じる成田初が3人の男性に振り回されて…って言ってますけど、全然違いましたね。

堀未央奈さんは多分普段アイドルとして気にしている可愛さとか、カメラ写りとか、当たり前ですけどそういうの全て捨ててまっさらなままで挑んでいるなと感じました。

もちろんキスシーンも何回かありましたけど、映画に集中していたので、正直堀未央奈がキスシーンをしてると言う感覚はあまりなくて。それくらい初ちゃんでしたね。映画の中でもキスシーン自体が特別扱いされてるような感じでもなく。

 

また、亮輝を最も魅力的に演じられるのは清水尋也くんただ1人だったと思います。きっと良い面だけではない男なのですが、上手く良い面と悪い面のバランスが絶妙に出ていたなと思います。

 

梓を演じる板垣くんはとにかく声が良い!!声が梓を演じるのにぴったりだと思いました。梓と初のシーン、かなりこだわっているように感じました。本当に梓の声は、麻薬のような、女を狂わせてもおかしくはない。

 

そして凌。私が選ぶんだったら絶対凌ですよ。それくらい、ただ優しいだけじゃない、気持ちを抑え込んでるからこそ色気の漂う凌が最高でした。間宮さん、面白いのにあんな演技できるのずるいな!

間宮さんが完成披露試写会の際に「とにかく堀未央奈が可愛い」と言っていた。この言葉を間宮さんが言う、ていうのがよく分かった。後半はまあ置いといてあくまで前半は凌といる初はとっても可愛い妹、だった。

 

3つの初恋は、もしかしたら3人の男の子の初恋だったのかもしれないですね。

 

個人的には桜田ひよりちゃん演じる茜と初のシーンがお気に入りです。理由はうまく言えませんが。でも唯一心が安らぐシーンではありました。

 

亮輝と初の言葉の掛け合いシーン、どうしてあんなに自分の心の何かが湧き上がってくるようなどんどん沸騰していくような、そんな感覚が、生まれていったのかわからない。理屈じゃないんですよね、もう。本能に訴えかけてくる、殴ってくる映画だった。

 

結局の所、全然幸せな気持ちとか、心温まるとか、そんなのは狙ってなくて、あえてこちらを苦しくさせているんだと思います。

狙い通り、私の頭の中にはべたり、べたりと張り付いています。あの団地の住人たちが、物語が。

 

 

 

思い出しても、キラキラなんか、それどころか喉が締め上げられるような、そんな。

 

でも、絶対に新しい映画で、その主演が堀未央奈だったこと、本当に凄い。

 

この映画を完成させるの、多分めちゃくちゃ大変だったろうなと感じる。そりゃ見る側も体力使うわ。

 

多分あと何回か見ますけれど、その度に感想は変わるのか、どうなのか楽しみです。